大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)2419号 判決

原判決援用の証拠中証人中島健治の証言につき、原審第二回公判調書中同証人の供述記載部分を見れば、そのうちには所論のような伝聞証言の存することは明かであり且つ原審が右伝聞証言の部分について排除決定をしていないことも亦所論のとおりである。しかし記録を検討すると原審において、被告人又は弁護人において所論伝聞証言について異議を申立てた形跡はない。従つて仮りに右伝聞証言は証拠能力がないとしても、裁判所において必ず排除決定をしなければならないというのではないことは刑事訴訟規則第二〇六条第二〇七条の規定の解釈上明白である故に右伝聞証言について排除決定をしないで、これを包含する所論証拠の標目を掲げても違法ではない。なお原判決は右証人の証言中証拠能力のない伝聞証言の部分はこれを除いた他の証拠能力のある部分のみを犯罪事実認定の資料に供しているものと認めるのを相当とするから原判決には所論のような違法はない。

論旨は結局理由がない。

(註 本件は量刑不当により破棄自判)

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